ベトナムのオフィス賃貸借契約の締結は、新しいビジネスにとって最も大きな決断のひとつです。実際にいくら支払うのか、どれだけ柔軟に動けるのか、退去しやすいかどうかは、いくつかの条項で決まります。本記事では、契約前にすべてのテナント様と一緒に確認している12の条項をチェックリストにまとめました。
初めてのオフィス開設でも移転でも、流れは国内どこでもほぼ同じです。まだ物件を絞り込んでいる段階なら、まずダナンの賃貸オフィスの最新情報をご覧になり、契約書の案が手元に届いた時点でこのチェックリストに戻ってきてください。

ベトナムのオフィス賃貸借契約:12の条項一覧
| 条項 | 確認ポイント |
|---|---|
| 賃貸面積 | ネット面積かグロス面積か、測定方法 |
| 賃料と通貨 | 提示通貨、支払通貨、為替レート |
| 管理費 | 含まれる内容と値上げの可能性 |
| VAT | 価格がVAT込みか別か |
| 契約期間 | 期間、開始日、更新オプション |
| 賃料改定 | 年間の値上げ上限 |
| 保証金 | 金額、返還時期、差し引き |
| 支払いスケジュール | 毎月か四半期ごとか、前払いか |
| 内装工事期間 | 工事期間中のフリーレント |
| 原状回復 | 退去時に戻すべき状態 |
| 中途解約 | 予告期間と違約金 |
| 登記での使用 | 会社登記に住所を使えるか |
1. 賃貸面積:ネットかグロスか
ビルによって、グロス面積(ロビー・廊下・トイレなどの共用部の按分を含む)で賃料を提示する場合と、実際に使えるネット面積で提示する場合があります。その差はビルの設計によって15〜25%以上になることもあります。どちらの面積かを確認し、寸法入りの平面図を依頼しましょう。
2つのビルを比較する際は、両方の条件を同じ面積基準に揃えてください。グロス面積で㎡単価が安くても、ネット面積で単価が高い物件より割高になることがあります。
2. 賃料、通貨、為替レート
ベトナムの多くのビルは月額・㎡あたりの賃料を米ドルで提示し、請求と支払いはベトナムドンで行います。契約には為替レートの基準(例:特定銀行の売りレート)と適用日を明記する必要があります。これがないと、毎月のコストが為替に連動して変動します。
3. 管理費
管理費には通常、共用部の清掃、警備、エレベーター、標準時間内の空調が含まれます。専有部の電気代、時間外空調、駐車場など、含まれないものを確認しましょう。また、オーナーが管理費を値上げできるか、どの程度までかも確認が必要です。
4. VAT
提示された賃料と管理費がVAT込みかどうかを確認してください。ベトナムの商業用の見積りはVAT別が一般的なので、契約に別段の定めがない限り、予算にVATを加えておきましょう。
5. 契約期間と更新オプション
2〜3年の契約が一般的です。更新オプションは、継続して入居する権利であって義務ではありません。更新時の賃料の決め方(例:前年賃料に対する上限率)を事前に定めておくのが理想です。
6. 年間の賃料改定
多くの契約では毎年の賃料改定が認められています。「市場賃料」のような表現より、パーセントで上限が決まっている方が予算を組みやすくなります。上限なしの改定を求められた場合は、まず固定期間を長くしてもらうよう交渉しましょう。
7. 保証金
保証金は賃料と管理費の約2〜3か月分が一般的です。退去後いつ返還されるか、差し引きは未払い金と記録された損傷に限られることを契約に明記しましょう。
8. 支払いスケジュール
オフィスビルでは四半期ごとの前払いが一般的で、月払いに応じるオーナーもいます。署名後ではなく署名前に、自社のキャッシュフローに合わせて調整しましょう。
9. 内装工事期間
間仕切り、会議室、受付などを設ける場合は、内装工事期間のフリーレントを依頼しましょう。開始時期、期間中の管理費の扱い、ビル側の設計承認が遅れた場合の対応を契約に記載します。
10. 原状回復
契約終了時には、区画を元の状態に戻す必要がある場合があります。間仕切り、カーペット、配線の撤去などです。引き渡し時の写真を残し、求められる状態を書面で合意しておきましょう。
11. 中途解約
ビジネスは変化します。中途解約時の予告期間と違約金、他社への転貸や契約譲渡の可否を確認しましょう。1年目以降の明確な解約条項は、わずかな賃料値引きより価値がある場合があります。
12. 会社登記への住所の使用
オフィスの住所で会社や支店を登記する場合、契約でそれが認められ、オーナーが許認可当局から求められる書類を提供できる必要があります。事業用住所として使える商業用物件であること、オーナーがVATインボイスを発行できることも確認しましょう。
契約前にレイアウトを計画しておくと、適切な内装工事期間を交渉しやすくなります。多くのテナント様は家具や会議室を先に決め、それに合う区画を選んでいます。たとえばViettel TechHub Da NangのAグレードのフロアや、Bグレードビルの小さめの区画などです。
契約前のシンプルな手順
- 契約書の案を英語とベトナム語の両方で入手する。
- 同じ面積基準・VAT込みで条件を比較する。
- 上の表の各条項を「合意」「交渉」「不明」に分類する。
- 最終版を弁護士またはアドバイザーに確認してもらう。
- 入居前に写真付きで引き渡し検査を行う。
よくある質問
ベトナムのオフィス賃貸借契約の期間は一般的にどのくらいですか?
2〜3年が一般的で、更新オプションが付くことも多くあります。より短い期間も可能ですが、賃料が高くなったり、条件面の譲歩が少なくなったりするのが通常です。
保証金(デポジット)はどのくらい求められますか?
賃料と管理費の約2〜3か月分が一般的です。正確な金額、返還時期、差し引かれる可能性のある項目を確認しましょう。
ベトナムのオフィス賃料は米ドル払いですか、ベトナムドン払いですか?
賃料は米ドル建てで提示されることが多いものの、支払いは合意した為替レートでベトナムドンにて行うのが一般的です。どのレートをどの日付で適用するかを契約に明記しましょう。
内装工事期間のフリーレントは交渉できますか?
はい。特に広い区画や長期契約では、内装工事期間のフリーレントを認めるオーナーが多くあります。期間はビル、面積、その時の市況によって異なります。
契約書は弁護士に確認してもらうべきですか?
はい。重要な賃貸借契約は、弁護士や経験のあるアドバイザーに確認してもらいましょう。特に二か国語の契約書や、会社登記に使う契約書の場合は必須です。
まとめ
良いベトナムのオフィス賃貸借契約は、面積、通貨、管理費、賃料改定、退去条件が明確です。署名前にこのチェックリストで1時間確認するだけで、後のトラブルの多くを避けられます。規則や市場慣行は変わるため、法的な点は専門家に確認してください。
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